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3DSが裸眼で立体に見える仕組み

大ヒットを記録したニンテンドーDSの後継機として発売されたニンテンドー3DS。

     

最大の特徴は、その名の通り3D立体視機能。
しかもそれが専用のメガネも必要なく、裸眼で見られるというのだから驚きです。
映画"アバター"の大ヒットを皮切りに、3D映画が数多く制作・上映されるようになり、
家電量販店では3Dテレビが販売されるようになりましたが、 これらの立体視には専用のメガネが必要です。
何故ニンテンドー3DSはメガネ要らずなのでしょうか?
ここでは、どうして裸眼で3D映像が見られるのかという解説をしていきます。

ニンテンドー3DSについての説明の前に、
そもそも、我々人間が何故立体を認識できるのかということから説明します。
ある物体を見た時、人間の左右の目はどちらも同じ様に見えているようで、
実際には少し見え方が異なっています。
何故ならば、人間の左右の目は数センチ離れているので、
奥行きのある物体を見た場合、左右の目で角度の差が生じるからです。
この左右の目による物の見え方の違いを視差といいます。
人間の脳はこの視差を感じた時、奥行きや距離感を自動的に認識する習性があります。
つまり、左右の目にそれぞれほんの少し角度の違った映像を見せると、
それを脳が勝手に立体と認識してしまうのです。
ニンテンドー3DSや3D映画の立体視も、この錯覚を利用したものなのです。

 

テレビや映画の3Dの仕組み

次に、3D映画(3Dテレビも同様)の立体視について説明します。
3D立体視表現にはいくつかの方式が存在しますが、
日本の映画館では、ほとんどがフレームシーケンシャル方式を採用しています。
3D映画を裸眼で見たことがある人ならわかると思いますが、映像が2重にブレて見えたと思います。
これは左目用の映像と右目用の映像を交互に超高速で表示しているために起こる現象です。
そして3Dメガネ(アクティブシャッターメガネ)は、
レンズ部のシャッターが、左右交互に超高速で開閉を繰り返しているのです。
(3D映画が暗く見えるのは、メガネのシャッター開閉によって目に入る光量が半減しているからです。)
このメガネがスクリーンと同期することで、左目には左目用の映像だけが映り、
右目には右目用の映像だけが映ることになり、その結果3Dに見えるのです。
これがフレームシーケンシャル方式です。
最近では、プレイステーション3の一部のソフトでも、この方式を用いた3D立体視が可能になりましたが、
3Dテレビの普及率の低さがネックとなり、ほとんど活用されていない状態です。

3D映画がクロースアップされる様になったのは最近のことですが、 昔から3D映像作品は存在していました。
最も有名なものはアナグリフ方式でしょう。
左目に赤いセロファン、右目に青いセロファンを貼ったメガネを掛け、 赤と青だけで描かれた映像を見ます。
すると、左目には青い映像だけが映り、右目には赤い映像だけが映るため、立体に見えるというものでした。
非常にチープなものですが、現在の3D立体視も基本的な原理は同じです。

現在、テレビ製造メーカー各社が3Dテレビの宣伝に力を入れていますが、
おそらくほとんど普及することなく終わってしまうでしょう。
映画館に行って2時間程度メガネを掛けるのはまだ我慢できるかもしれませんが、
家庭で専用のメガネを掛けなければいけないというのは非常に億劫です。
また、メガネも1つ1万円程度と高価なため、家族が多い家庭は大変です。
それに、やっと地デジ対応テレビが普及してきたこの時期に、
3Dテレビへの更なる買い替えを促すのは無理があります。
テレビ製造メーカーにも、もう少し消費者のことを考えていただきたいものです。

 

3DSの立体視の仕組み

それでは、いよいよニンテンドー3DSについての説明です。
ニンテンドー3DSが裸眼立体視を可能にしているのは、パララックスバリア(視差バリア)という仕組みです。
パララックスバリアとは、電気的に制御される格子状の薄いフィルターのようなものです。
まず、左目用の映像を細かく短冊状に分けます。

右目用の映像も同じ様に分けます。


その左右の映像を交互に並べて、液晶に表示します。


液晶の前面には、パララックスバリアが貼り付けられています。
この状態で映像を見てみましょう。
すると左目にはパララックスバリアの影響で右目用の映像は見えません。


反対に、右目には左目用の映像は見えなくなっています。


この仕組みが裸眼立体視を実現しているのです。


煩わしいメガネが必要ない素晴らしい仕組みですが、
何故3D映画やテレビではこの方式を採用しないのでしょうか?
実はパララックスバリア方式は、基本的に真正面から見なければ巧く効果を得られないのです。


ですから、複数の人間が複数の角度から見ることになる映画のスクリーンやテレビ画面とは相性が悪いのです。
その点、画面を見る角度や距離がほぼ固定されている携帯ゲーム機との相性は抜群なのです。
最近では、一部の携帯電話やパチンコ台にこのパララックスバリア方式が採用されており、
いずれも、画面を見る角度や距離が一定であることを前提にした機器だからこそ実現できた事例です。

 

任天堂の3Dへの挑戦

実は、任天堂は20年以上前からずっと3Dゲームに注力していた会社です。

1987年、ファミコンの周辺機器としてファミコン3Dシステムが発売されました。
これは、前述のフレームシーケンシャル方式と同じ仕組みでした。
しかし、メガネのシャッター開閉スピードの遅さから画面がチカチカして見えるという、 技術的にはまだまだ未熟なものでした。
そのため、対応ソフトもあまり発売されず、普及には至りませんでした。

1995年には、3D専用ハードであるバーチャルボーイが発売されましたが、
これは3D云々という以前に欠点だらけのハードだったので、あっと言う間に市場から消えてしまいました。

さらには、2001年に発売されたゲームキューブにも左目用と右目用の絵を分けて出力できる3D用回路が内蔵されていましたが、
3D表示に対応したディスプレイが必要だったため、
結局その機能が使われたソフトは1本も発売されることはありませんでした。
(そもそも、ゲームキューブに3D表示機能があるという事実は2010年になって公表されたことです)

といった具合に、任天堂は今まで何度も3Dゲームに挑戦し、そして失敗してきました。
ニンテンドー3DSが、任天堂の悲願を達成することができるのか、非常に楽しみです。

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