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Atari2600

Atari2600とは、1977年11月に米国アタリ社から発売された家庭用ゲーム機。
元々はVCS(Video Computer System)の名で発売されましたが、後にAtari2600と改名しました。
(ここではAtari2600の表記で統一しています)

アタリ2600(筆者の貴重なコレクションです)

これ以前に発売されたゲーム機は全て、ハードとソフトが一体化された構造であり、
現在のゲーム機のようにソフトを入れ替えて別のゲームを遊ぶということはできませんでした。
Atari2600は、現在のようにロムカートリッジによってソフトを供給するようになった史上初のゲーム機なのです。

 

サードパーティー制度の確立

当時のアタリ社員の待遇はあまり良くありませんでした。
そんな中、ゲームの売上げに応じた賃金の支払いがされないことに不満を持ったアタリ社員4人が会社を退職し、
新会社"アクティビジョン"を設立します。
彼らは、Atari2600へのソフト供給をアクティビジョンから行うという手段に出たのです。

アタリは「アクティビジョンにはAtari2600にソフトを供給する権利がない」と訴えを起こします。
しかし、これはアタリ社側に落ち度がありました。
退社した4人はアクティビジョンの設立時に、Atari2600への参入は法的に問題ないことを予め確認していたのです。
当時のゲーム業界において、サードパーティの参入というのは考えられないことだったのです。
そのため、Atari2600には法律的・技術的に他社の参入を拒む措置は施されていなかったのです。
後にアタリとアクティビジョンは和解に至ります。
条件は、アクティビジョンのAtari2600用ソフトの販売を認める代わりに、
販売数に応じたロイヤリティをアタリに支払うというものでした。
現在のゲーム業界ではあたりまえの存在であるサードパーティ制度はここから始まったのでした。

アクティビジョンの参入後、サードパーティーとして参入する会社が次々と現れました。
それによって市場が大きく活性化し、Atari2600は80年代前半のアメリカゲーム市場ををほぼ独占していたのです。
(当時はまだファミコンが発売される前です)

 

アタリショック

しかし、多くのサードパーティが参入することで、ゲームソフトの粗製濫造が相次ぐことになります。
1982年の年末商戦にアタリショックと呼ばれる売上不振を招き、
Atari2600のみならず米国ゲーム市場そのものを衰退させるに至ったのです。

日本では、"1982年末のアメリカゲーム市場の売上不振"をアタリショックと呼称するのが通説となっていますが、
実際に市場が縮小したのは1983年から1984年にかけてであり、
その原因もAtari2600によるものだけでなく、様々な要因が重なったもので、
日本におけるアタリショックの概念は正しくありません。
(ただし、1980年代前半にアメリカゲーム市場が大きく衰退したというのは疑いのない事実です)

 

アタリの衰退

Atari2600市場の衰退によって、アタリ社も勢いを失っていきました。
アタリの家庭用ゲーム部門は、新会社アタリコープとして再建を狙いました。
1989年には携帯ゲーム機"Atari Lynx"を、
1993年には32ビットゲーム機"Atari Jaguar"を発売しましたが、いずれも失敗に終わりました。
これを最後に、アタリはゲームハード事業を撤退することとなったのです。
現在はインフォグラム社に買収され、その子会社となっています。
アタリブランドは今でも一応存続はしていますが、
かつてアメリカの家庭用ゲーム市場を制覇した面影はまるでありません。

ちなみに、アクティビジョンはヴィヴェンディ・ゲームズと合併し、社名はアクティビジョン・ブリザードとなりました。
この合併で、アクティビジョン・ブリザードは世界一の規模を持ったゲーム会社となりました。
同社のオンラインゲームである"World of Warcraft"は、2008年度にはアクティブユーザ数が1000万人以上を記録しており、
名実ともに世界一のMMORPGタイトルとなっています。
また、2011年末に発売された"Call of Duty: Modern Warfare 3"のアメリカとイギリスでの発売初日の合計売上本数は、
650万本以上(金額にして4億ドル以上)を記録するなど、華々しい活躍を見せています。

このように、両社の明暗が大きく分かれてしまったのは皮肉なものです。

 

参考サイト:Runner's High!
http://loderun.blog.so-net.ne.jp/project_videogamecrash

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